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高音を出すためには上手い人の体感を真似する
高音を使える音質と、限りなく楽な体感で発声するには、試行錯誤のトレーニングが必要となります。何が正しいかは、教材が決めてくれるわけではありません。自分で感覚を磨くしかないのです。発声の成長に関して、勘違いしている方が多いのですが、ただボイストレーニングスクールに通えば、歌が上手になり、高音も出せるようになるわけではありません。そこには、自分に合う適切な方法を頭で考えて、試行錯誤に実践する能力が必要なのです。一般的に、トレーニングしていない人が、ボイストレーニングをすれば、伸びしろがあるので、声量がアップしたり、多少の音域が広がったり、当たり前の話です。このくらいのレベルであれば、自宅でも、実践可能で、わざわざお金を払うようなものでもないのです。
ある程度、歌ってこられた方で、今、高音域の音質や、声量、歌唱スタイルに限界を感じているのなら、発声方法のイメージの転換が必要です。おそらく、このページを観覧されている方は、歌唱力の上達の為に、日々探索されている方だと思います。すぐに結果はでないと思いますが、イメージを変えるぐらいの情報をこの記事で、お伝えしますので、鋭い方は、すぐに分かるはずです。あまり詳細に説明するというよりは、具体的に、重要なポイントのみ記事にしていますので、少々分からない用語などありましたら、他のサイトで調べてみてください。
発声方法のメソッドは参考程度に
正確には、高音域を出す特別な、そこだけに特化した発声方法やメソッドをやることは、無駄です。といいますのも、教える側の感覚と、それを受け取る側の感覚に違いがあり、また、人体的な個体差もあるので、それらを考慮すると、発声方法などというものは、ひとそれぞれ異なるのです。仮に、なんらかの発声方法の扉を開いた場合にでも、参考程度にし、それに依存するようなことがないようにしましょう。
トレーニングは自分で開発するもの
特に、声を科学的に論理的に、解説した書籍も存在しますが、それらを知ったからといって、それらが示す体感を習得したわけではないのです。頭でっかちの方は、理論が先行しすぎる傾向があり、声の開発に、何の役にも立っていないことが多いので、そのようにならないように。あくまで、実践型であり、トレーニングは自分自身が、試行錯誤で結果を残し、うまくいったものを採用しましょう。これには答は正しいといえる答はありません。
うまい人の体感をまねするのが一番
一流と呼ばれるヴォーカリストを見ても、みんな、歌唱方法は異なります。ただ、共通することは、長いツアーに対応できるだけの、効率のよう喉、歌い方になっているのです。つまり、ここだけみても分かるように、喉の状態は楽に歌っているのです。一般人の場合は、何曲も歌うと、声が苦しくなったり、高音になると、歌うことができなかったり、ピッチが落ちたりしますが、一流のヴォーカリストにとっては、簡単なことなのです。仮に、一流のヴォーカリストが喉を壊したとしても、後々にまで長引くほど、喉が破損するようなことはありません。
稲葉浩志さんが良い例です。特に、クセがあるのは分かりますが、根本の芯の部分はしっかりとしていて、非常に参考になります。
本当に負担のかからい発声
本当に負担のかからない発声とは、走りながらでも、踊りながらでも、ジャンプしながらでも、体が安定しているので、歌い続けることができるのです。また、姿勢に関係なく、高音を出すことが可能です。要するに、このようなパフォーマンスをしているようなシンガーを研究してみればよく分かります。現在では、昔とはちがい、YouTube等の動画サイトで、いろいろなアーティストの歌唱フォームを観覧することができます。特に、呼吸や、音の響きなどに注目して、自分のトレーニングに生かしてみることをお勧めします。
うまい人は、裏声と同じような体感で、全音域をうたう
実は、稲葉浩志さんの発声は、ファルセット体感の地声でほとんどの曲が歌われています。なので、B’zの曲は、音域が、そこまで低いものはありません。というもの、このファルセット体感の裏声では、低音になるほどパワーダウンします。稀に、そのような音域には、地声の音で対応しますが、稲葉さんの場合は、中音域から高音域までは、このファルセット体感の地声で曲を表現しています。また、それに合わせて、楽曲の音域が調整されています。つまり、一番、楽にでる音がライブで表現している音域なのです。
ファルセット体感の地声とは
ファルセットの体感の地声のことです。正確には、話す時の声の延長上にある地声ではありません。
まず、ファルセット(裏声)とは、コントロールできる裏声のことです。また、裏声というと、コントロールできなくなって、裏返った声という方もおられますが、言葉の使い方の違いです。この記事で表現する裏声とは、ファルセットと同等のものを言います。
ファルセット体感の地声が最強である
なぜ、ファルセット体感の地声が最強なのか? それは、裏声を加工した声なので、喉に負担がほぼかからなく、地声のような質の声を表現できるのです。特に、録音して聞いても、地声となんら遜色のない性質になります。唯一の欠点は、低音域を出する際に、パワーダウンすることです。その分岐点は、人によってもことなりますが、トレーニングで、解消できる場合もあります。特に、低音が安定すれば、高音もさらに磨きがかかります。この発声方法は、へビィメタルで使われる発声方法ですので、極めてくると、非常に多彩なクセをつけて、個性を表現することも可能となります。
地声を広げようとする発想が間違っている
地声を広げようとすると、ミックスボイスやヘッドボイスなどという概念がありますが、これも、解釈次第で、まったく異なってくるのです。要は、言葉だけが先行した形となり、実際の実践とかけはなれる可能性があるからです。従って、これらの用語はこのサイトでは使いません。地声を広げるというイメージで、地声の限界あたりで、声質がかわり、裏声をまぜたような声に変換できる方がいますが、この発想こそが、地声を広げるというイメージに基づいたものです。しかし、この発声方法の場合、何曲もうたうのは苦しいですし、高音がてていても、ピッチもいまいちで、音質も非常に悪くなるのです。なぜなら、力だけで歌っている状態なのです。
裏声を地声に変えるイメージをもつことがベスト
裏声を地声に変えるとは、とはどういうことかというと、裏声を鋭くさせると、地声に近い音質になるポイントがあります。特に、高音からはじめると感覚が分かりやすいです。低音からはじめると、非常に感覚をつかみにくいです。はじめての方は、高音のファルセットを加工するようなイメージで、音を作っていきましょう。また、できるようになったら、その状態の発声方法で、高音域かまら中音域までと、下のほうへ音をコントロールできるようにトレーニングします。さらになれてきたら、さらに下の低音域まで音を出せるようにします。
ファルセット体感の地声の音域
ファルセット体感の地声は、だいたい、話す地声の最低音の1オクターブ上あたりの音まで確実にだすことができれば、曲の音域のなかでも不自由なく使うことができるはずです。だいたい、この音質で、2オクターブ半ほどの音域をカバーできます。それぞれ前後の音域は、低いほうであれば、地声でカバーできますし、高いほうであれば、おそらく曲でつかうことのない音域なので不要ですが、表現するならホイッスルボイスという音域になります。このあたりも、まず、この発声方法がしっかりしてくると、わざわざホイッスルボイスだけのトレーニングをやらなくても、普通に出るようになります。
誰を参考にすればよいのか
とりあえず、下記の方を参考に違いを比べてみるのがよいでしょう。よく聞くと、みんなファルセットの地声で歌っています。
稲葉浩志/二井原実/Toshi/小野和正/人見元基
B’zの稲葉浩志に関しては、時々、低音域のみ曲によっては、地声を使っています。それ以外は、ファルセット体感の地声です。また、もともとの声の芯が、細くもなく太くもなくといったちょうどいいバランスなので、万人受けします。
二井原実さんと小野和正さんはもともと、ファルセットタイプの低音域がそこまで、多様してないせいもあり、どちらかというと、貧弱な印象をうけます。また、もともとの声の芯も細く、高い音はでていますが、パワーがなく、どちからというと浮いた感じがします。
X JapanのToshiさんの場合は、しゃべり声を聞いてもわかるように、もともとの地声に金属的な鋭さがあります。そのような方が、ファルセット体感の地声を使っているので、音質に、さらに磨きがかかり、超個性的な音になっています。
Vowwowの人見元基さんは、もともと太めの声の方なので、かなり強いインパクトがあります。特に、高音を連発するフレーズなどは、重みがあり、上記で紹介した4人とは、異なる強さを秘めています。
腹式呼吸にだまされてないか?
一般的に、ヴォーカルスクールの入門書などには、曲を歌うときは、腹式呼吸が重要とありますが、これもジャンルによっては間違いではありませんが、ハードロックでは、胸式呼吸がメインとなります。なぜなら、腹式呼吸では、ファルセット体感の地声に、パワーを与えることができないからです。よりダイレクトに息の流れを、そのまま安定したパワーに変えるには、胸式呼吸の方が向います。特に、ライブで走りながら歌いたい曲などは、いちいち、お腹を膨らませていたら、ブレスが続きませんし、余計なちからが加わり、非常に効率が悪いです。一方で胸式の場合は吸って、すぐに吐くために近い位置に集中するので、ハードな動きの中でも、パワーダウンせずに、発声を安定させることができます。ウソだと思うなら、よく観察してみてください。稲葉浩志さんにしても、ライブ中は胸式呼吸です。